世田谷区の近代建築
マンションの室内撮影で世田谷区内を自転車で走っていると、ちょいちょい心に刺さる建物に出会います。
上の写真のような建物とか。
双子の給水塔とか。
大抵は忙しさにかまけて、素性も調べぬままほっといて、暫くして行ってみたら、土地が削られていたり、既になかったり。。。あぁもっと写真撮っとけばよかった~~なんて後悔してしまうのですが、その連鎖を断ち切るべく、ここについて、きちんと調べてみました。
上町の医院です。
どうやって調べたかというと、近代建築といえば、看板建築の命名者としても有名な藤森照信さんだろうと。藤森さんに聞けば何かしら分かるのではないかということで、工学院大学の藤森研究室にメールしてみました。
この少し前には高過庵を見に茅野市まで行き、藤森さんの著書も何冊か読んでいたので親しみを感じていたことともありますが、かなり単純で迷惑な思考かもしれませんね(苦笑)
藤森さんから直接メールはいただけませんでしたが(当然か)、研究員の方から最高の本を紹介していただきました!
世田谷区の近代建築 第1輯 住宅系調査リスト』
(世田谷区教育委員会文化財係編集発行,1987年)
昭和57年から60年にかけて調査された1700棟以上が記録されています。
間取りや外観、建築年、設計、施工だけでなく、住人への聞き取り調査の内容まで記載されているので、建物の歴史も伺えるとても興味深い本です。
昭和初期には、世田谷区にも同潤会の分譲住宅があったことや、奥沢に海軍村なんて地域があったことも知りました。文化財保護条例のもとにまとめたそうですが、個人情報保護から、こういった本はもう作れないそうです。上町の医院については、54Pに間取り、当時の外観、当時住人の生活の様子が記されていますので、興味のある方は是非。
有名な建築家の設計かと思っていましたが、なんと、設計:地元の大工とありました。
どんなクオリティだ!
この本、本屋さんでは売ってなく、いろいろ調べて、やっと世田谷区の情報センターで買えました。3,000円位だったと思います。情報センターは、区役所の横にあります。
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