久しぶりの金沢 社員旅行
久しぶりに社員旅行を行いました。1泊2日の新幹線で行く金沢の旅です。
いまどき会社のイベントは求められていないのではないかと思っていたのですがそうでもないようで、「社員旅行行きます??」の問いかけに、意外と前向きな意見が多かったので、実施することにしました。
『行先』『宿泊先』『初日の昼食と夕食』は社員の皆さんで決めてもらい、初日の昼食と夕食以外は、各々が自由にテーマを決めて旅先を楽しむ、フリースタイル社員旅行です。
東京駅から新幹線に乗り、約3時間。金沢駅に到着。
10年以上ぶりの鼓門。前回は飛行機でしたが、空港までの移動時間や移動中の快適性を考えると、金沢は新幹線の方がおススメです。ゆったり座れてパソコンも置けるので、移動中に仕事用の記事を1本書けました。
金沢といえば、金沢城公園・兼六園・ひがし茶屋街といった、歴史と文化に触れる旅と、金沢21世紀美術館・石川県立美術館・国立工芸館といった、芸術や美術に触れる旅が思い浮かびますが、今回私が選んだのは、日常にある建築を見る旅。
行ってきたのは、石川県立図書館。
新しい公共空間_石川県立図書館
「県民の多様な文化活動・文化交流の場として、 県民に開かれた「文化立県・石川」の新たな”知の殿堂”」
を基本コンセプトに2022年7月にオープンしたばかりの県立図書館。
設計は、環境デザイン研究所。建築家仙田満氏が会長を務める事務所です。
平成29年3月に策定された新石川県立図書館基本構想によると、
かつて「加賀は天下の書府」と言われた土地柄であり、加賀藩では、学問が奨励されていた歴史もあります。
こうした石川の知的伝統を受け継ぎながら、今後、長きにわたって、多様な県民ニーズに応え、多くの県民の皆様方にご利用いただける図書館となることをめざして、基本構想の検討を開始いたしました。
<中略>
この基本構想では、新たな県立図書館の基本コンセプトを「県民の多様な文化活動・文化交流の場として、県民に開かれた『文化立県・石川』の新たな“知の殿堂”」としています。
それから5年の月日を経て建てられた、新たな“知の殿堂”となる図書館です。
入口を抜けると目に入るのは、円形の大空間。
各層がすり鉢状に段になり、劇場のような空間で、図書館のワクワク感とは違った、何かが始まるような高揚感がありました。
天井の青は成巽閣で見た群青色(ラピスラズリ)、壁はベンガラを基調にし、他にも加賀の色彩をところどころに配色し、色でも加賀らしさを表現しているそうです。
中央の大空間に向いて、円く配置された、書架・閲覧スペース・勉強スペース。
中央に掛かる渡り廊下。
ホームページの「SPACE」の紹介文には、
「図書館にお気に入りの場所を見つけよう」
とありますが、まさにその通り。
空間だけでなく、書架の間や通路にある閲覧スペースもバラエティーに富んでいて、日によって気分によって居場所を変えるのも楽しみの一つになりそうです。
棚に向かって本を探している人と、座って読んでいる人が重なっても、どちらも気にならずに真ん中を歩けるスペース。棚から壁まで、私の歩幅で約4歩。
探す人、通る人、寛ぐ人、それぞれの領域を確保した安心感のある空間です。
「BLEIB NEUGIERIG 」のサインも図書館らしいメッセージ。
扇形のソファや
キッチンスツール
カップルシートのようなものまで。
ホームページには、
「本だけではないワクワクがいっぱいの空間。晴れの日も雨の日も、思い思いの時間を過ごせます」
ともあります。
どれだけ居ても飽きず、どのような場面でも素敵な時間を過ごせそうな図書館でした。
公立図書館が果たすこれからの役割について書いた「知の広場」アントネッラ・アンシニョリ著という本では、「ちょうどいい椅子を見つける」という章があり、そこには次のような文章があります。
「図書館の任務とは、少なくとも数時間のあいだは、どんな人でも巻き毛の女の子のようにくつろげる空間づくりを心がけることである。
<中略>
さまざまな要求をくまなく満たすにはセンスが良いだけでは充分でなく、他人がいても空間の余裕を感じるような原則を明らかにする必要がある。」
石川県立図書館では、その原則を明らかにし実現しているようです。
金沢市には、石川県立図書館の他、市立玉川図書館や金沢海みらい図書館といった、意匠に凝った図書館があるそうです。
再訪する機会があれば訪れてみたいですが、県立図書館で一日過ごしてみるのもアリかなぁ。
金沢の食に触れる
もう一つ忘れてはならないのは金沢の食の旅。
お店は、金沢に住んでいたことのある社員さんが特別な日に通った思い出のお店を選んでくれました。
昼食はこちら、「饂飩と釜ごはん 福わ家(ふくわうち)」
金沢らしい、古いお屋敷風の佇まいの、うどんと釜飯が有名なお店です。
七輪風のコンロが据え付けられている大きなテーブル。
うどん鍋は、創業以来の量でたっぷり盛った昔盛りと、うどんの量が半分の今盛りの2種類の量を選べます。
これは今盛り。
うどんの量は半分ですが、具がたくさんで、これでも十分お腹いっぱいになります。
夕食は宝生寿司。
金沢市の「こまちなみ保存区域」のひとつ、大野町区域にある間口の広い町屋を改装したお店。
お店のある大野地区は、醤油の五大名産地のひとつで、金沢人の誇る大野醤油の産地であるため、もともとは酒屋かなとも思ったのですが、ホームページによると、廻船問屋だったそうです。
吹抜けの店内。
銭湯のように高い天井。
解禁したばかりの香箱がに。
11月に金沢に行くなら、欠かせない一品です。
1泊2日と短い日程でしたが、金沢の様々な文化に触れることができました。
芸術・建築・食と多様な文化が凝縮している町、金沢。タクシーやレンタカーを使わないと移動に時間がかかりすぎるという不便なところもありますが、もう少し時間を作って、ゆっくりじっくり堪能したいと思いました。
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