遠藤新設計、加地邸に行く(後編)
福永です。前編からの続きです。
北鎌倉から、そろそろ昼食にしようと由比ヶ浜にある「つるや」で鰻重を頂きました。
ここは、川端康成をはじめ、多くの文人に愛されてきたという名店。
確かに美味!おすすめですが、注文してから当然1時間くらいかかります。
車でなければ骨せんべいをつまみに、麦酒と飲みながら待つもよし、車なら近くの公文堂(コウブンドウ)書店で古本探しもよし。そして鰻をかけこんだ後は加地邸へ!
加地邸は遠藤が39歳の時の1928年に竣工。
三井物産ロンドン支店長であった、加地利夫氏の別荘として設計されました。
「全一」と考えた、建築家から家具、照明器具に至る総合性を実現した極めて密度が高く素晴らしい建築です。建物を見るなり、心が躍りました。ピロティー、大谷石、地形を利用した設計、建具、照明、家具、庭どれをとっても本当に素敵です!
設計した遠藤新ですが、フランク・ロイド・ライト愛弟子で、東京帝国ホテルや自由学園明日館の建設にも関わりました。
そこで、遠藤新の真骨頂を感じた逸話があります。
加地邸の設計当初は食堂や寝室のある重層部分が東側に、球突室・居間・サンルーム及び三寝室部分が西(海)側に配置されていました。設計者の遠藤は現場で敷地の形状や眺望などの自然環境を見直し、図面の間取りの東西を反転させる指示をしたようです。
そして現在の姿ができあがりました。
また、ロケーションが素晴らしいですね。
葉山は快適な気候と、豊かな自然に恵まれて明治のころから東京の別荘地、保養地として成立し、近くにある御用邸をはじめ、政財界、文化人の素晴らしい邸宅がつくられてきました。
建築って、建物単体ではなく自然環境や家具等も含んだ総合的な空間設計なんだなと、身体で強く感じることが感じることができたのはよかったです。
そしてこの空間で、素晴らしかったのが額装された写真と展示。
写真家の潮田登久子さんが加地邸を撮影した写真が展示されておりました。一枚一枚の写真の自然光がとてもきれいで、建築空間と展示写真のダブルパンチで魅了されました。
室内については写真撮影NGでしたので外観写真をいくつか。
ここから正面を眺めると、、、
植栽が整備されていなかったけど、当時は景色を額に入れたような設計だったんだろうと思います。
5/16(土)、5/17(日)の13:00~16:00までオープンしております。
※入場料:1,000円(大人)
週末に素敵な時間を過ごせることは間違いないです。
詳細はこちら↓
住宅遺産トラストはこちらから
まだまだつづく。
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