建築探偵団

建築家・建築史家 藤森照信氏を知ったのは、恥ずかしながらつい最近の事。ツリーハウスや萱葺きといった一風変わった家が好きなので、『奇想遺産~世界の不思議建築物語』という本で名前だけは知っていた。

きっかけは、確か、荻窪の近衛文麿邸「荻外荘」を杉並区が購入し、公園にするという記事を読んだことだったと思う。

自社サイトで「より道 ちか道 散歩道」や「いいっマンション」を運営しているので、町中をゆっくり歩きまわる機会があり、自然と近代建築にも興味を持つようになった。興味を持つと、まだ知らなかった建物があらわれると、時間を忘れて調べてしまうのだが、しかし、そこは生来の集中力のなさで、その建物について深く調べるのではなく、調べている中で出てきた言葉や人物、建物に興味が湧いてしまい、どんどん脇道に逸れていってしまうのだ。

散歩は地図を持たない方がいい。

進む道を決めるのは、その時の気分。

「こっちの道を行くと良さそうな何かがありそうだ」「こっちの道を行くと危険な何かがありそうだ」という風に、「何か」を察知して進む力は自分にはある!と、根拠は全くないながらも、己を信じつつ、歩んでいくのだ。
今回も、荻外荘からすぎなみ学倶楽部を知り、渡邉常太郎についても知った。

近衛文麿邸についてネットで検索し、目白の花想容についても知った。そこからまた、さまざまなサイトや本を行きつ戻りつし、パソコンを前にして、東京都内青山から目黒、六本木、北千住の銭湯まで、あてどなく歩を進めていくうちに、同潤会旧虎ノ門アパートにたどり着き、「東京たてもの伝説」(藤森照信 森まゆみ共著)という一冊の本と出合った次第なのだが、この本、1996年(平成8年)に出版された本で、森まゆみと同潤会アパート(住利共同住宅、旧虎ノ門アパート)や平塚千鶴子邸、旧亀井茲明伯爵邸、安田楠男邸を調査した時の様子について書いてあり、建物内の写真や住んでいる方に聞いた話、建物の歴史や当時の建築家の流行など、とにかく面白い。

藤森照信という人、若いころ建築探偵団を結成し、時間を見つけては近代建築について調べていたらしい。看板建築もこの人の命名。そこから藤森照信について調べてみると、さすが『奇想遺産』の中でもさらに変わった建物について寄稿しているだけあって、不思議な建物が多い事。

こういう時はグーグルの画像検索がとっても便利。

一瞬で魅了されてしまった。これは行かねば!現地に行かねば!と行ってきたのがここ。

空飛ぶ泥船

空飛ぶ泥船

高過庵1

高過庵2

高過庵

どちらも茶室のようですが、諏訪大社の神官であった守矢家の資料館にあり、裏山は墓所になっているため、黄泉の国の玄関のような、静かで厳かな雰囲気も。

ここのサイトに制作時の様子が。
http://homepage3.nifty.com/ichimoku/cn48/pg166.html

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四方田裕弘
  • 四方田裕弘
  • 1976年生まれ、東京生まれ東京育ちで2人の娘の父です。建物、特に近代建築が好きで、ちょっとした旅行でも近代建築を探し当て、見に行ってしまいます。

    【保有資格】CPM(米国不動産経営管理士)/(公認)不動産コンサルティングマスター/ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士/管理業務主任者/相続アドバイザー